ファミコン版メタルギアの評価-おきらくゲームソフト事典-

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ファミコン版メタルギアの評価


ファミコン版メタルギアというと、今ではメタルギアシリーズの汚点のような扱いを受けてしまっていますが、その経緯を見ると興味深いです。
そもそも、メタルギアが誕生したきっかけとされているのが、MSXのハードの制限。ハードの制限から、戦闘シーンを作る事が難しいのであれば、戦闘を避けて進むというゲームを作るという発想になったと言われています。
ここで、ひとつ興味深いのが、メタルギアの開発をしていた小島監督が、ファミコンのソフト開発をしたかったのに、配属されたのがMSXのソフト開発部門だったという事。もし、仮にファミコンソフトの開発する部門に生まれたら、このアイデアが生まれたのかは興味深いところです。
そして、この作品がファミコンに移植される事になりますが、これに小島監督は関わっていないようです。そのためか、元のゲームとは趣きが異なるゲームになってしまっています。ただし、当時の状況を考えると移植作である事はあまり意識されなかったように感じます。当時のMSXとファミコンの状況を考えると、MSX版を知らない人も多かったと思います。
結果的に、ファミコン版のメタルギアはそれなりの評価を受け、特に北米では人気のタイトルになっています。その結果、北米向けに、続編が登場しています。ちなみにこの北米向け続編にも小島監督は関わっていないようです。
MSX版としては、後に小島監督が関わった続編が登場していて、これは北米版続編の発売が影響したとも言われています。結局、MSX自体が終了してしまい、メタルギアシリーズは一旦終了してしまいます。
その後、プレステでメタルギアソリッドが登場すると、一気にブレークしますが、このベースとなったのは、ファミコン版メタルギアの人気があったことだろうと推測できます。
ところが、メタルギアソリッドシリーズが人気を博していく中で、小島監督がファミコン版には携わっていない事と、その出来には不満があった事を発言してしまった事で、ファミコン版に対する評価が一気に下がってしまっています。
ただし、ファミコン版が登場していなければ、ファミコン版の続編は当然ありえませんし、MSX版の続編も登場していなかった可能性もあります。そうなれば、メタルギアソリッドが開発されなかった可能性もあることを考えれば、歴史的には大きな意味を持つと思いますが、それに値しない評価を受けている点もまた興味深いです。


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